降圧剤の使用とED薬との併用と妊娠性高血圧症候群

高血圧症は血管にかかる圧力が何らかの原因で高くなっている状態をいい、140/90mmHg以上が高血圧症と定義されています。高血圧症の治療の最大の目標は血圧を下げて、あらゆる合併症の発症を未然に防止することです。血圧が高いと診断されたら比較的早期から薬物治療による血圧コントロールが行われます。治療薬にはカルシウム拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、β遮断薬、利尿剤などが用いられ、カルシウム拮抗薬、ARBが比較的早期の段階から使用されます。カルシウム拮抗薬は降圧作用が強力で確実に血圧を下げることができるので第一選択薬として使われることが多いです。ARBは臓器保護作用といって、心機能、腎機能を長期にわたって守る効果があるので、早い段階から使用されます。
降圧剤とED薬との併用に関してですが、どの降圧剤も併用してはいけないことにはなっていません。ただED薬も血管拡張作用を持っており、それは陰茎部だけでなく全身に起こります。よって、降圧剤とED薬との作用が重なり、降圧作用が強く出すぎて、めまい、ふらつきなどの低血圧状態となる可能性があります。特にカルシウム拮抗薬とED薬はともにCYP3A4という代謝酵素で代謝消失する薬で、その競合が起こると、代謝スピードが遅くなってしまい、低血圧症状が強く現れたりする可能性が高くなります。カルシウム拮抗薬とED薬との併用は特に注意しましょう。
妊娠性高血圧症候群に関してですが、妊娠性高血圧症候群とは妊娠中期以降に高血圧、浮腫、蛋白尿の症状が出る状態をいいます。妊娠性高血圧症候群に使う降圧剤はアリスメット(メチルドパ)という使用経験の多い安全性の確立した薬が主に使用されます。